まぶしい草野球

小学校の4年生の時、初めて買って読んだマンガがちばあきお先生の「キャプテン」であった。のちにアニメ化もされた名作。野球の名門青葉中学校から弱小墨谷二中に転校してきた谷口くんがレギュラーと誤解されてキャプテンに指名されたところから始まるこのお話は、少年時代の僕の心にものすごく大きな影響を与えた。
僕は父親が野球嫌いだったため、小学校時代に一度もテレビのナイター中継を見たことがない。長島や王の全盛期に少年時代を過ごしながらその勇姿をリアルタイムで見たことがないという非常に稀少な存在であると我ながら思う。
グローブもバットも持っていなかったし、近所の友達と野球をすることももちろんなかった。そんな僕と野球を結びつけてくれたものが「キャプテン」であり「ドカベン」あった。マンガなら隠れて読むことができる。

やってはいけないと言われれば言われるほどやりたくなるのが人間の性というものだ。僕のかつての教え子に、家庭で一切のジャンクフードを禁じられている子がいた。家庭訪問に行った際に「我が家の教育方針ですの」とお母様はおっしゃった香港旅游攻略が、その後、彼が親に隠れてポテトチップを大人買いして貪り食べていたのを発見したとき、僕は思った。

「逆効果じゃん」

思春期における下半身の衝動なども同じである。親が無理やり隔離したり、コントロールしようとしてもなかなかそれは難しい。オープンな方がむしろ健全に育つのではないか・・・と個人的にはそう思うわけだ。

そんな小学校時代の反動から、僕は中学に入ると野球に熱中した。といっても野球部に入ることはできないので、それ以外の行動で昇華するのだ。ノートにプロ野球の全試合のスコアに勝ち投手と負け投手を記録して、夜はイヤホンをつけてラジオのナイター中継に没頭した。
プロ野球手帳に書いてある12球団の選手はおろかコーチに至るまですべて覚えていたとおもう。チームと背番号を言われれば即、選手名が言えたくらいである。
野球漫画も貪るように読んだ、ちばあきお先生の作品では「キャプテン」もよかったが、谷口くんが高校生になってからを描いた「プレイボール」が特に好きだつた。これまた弱小の墨谷高校が谷口君の力で少しずつ力をつけていくくだりが魅力的で何度も読み直したものだ。水島新司先生の名作「あぶさん」も愛読書のひとつ、おかげで今でも熱烈なパ・リーグファンである。
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