政治家になる人

小中高とクラスにはいつも優等生や人気者とはまた別に仕切り屋がいた。仕切り屋のまわりには人がわんさかおり、その集団がなにかとクラス全体を引っ張っていた。この間クラスで旅する15、6の若者らに出くわして以来、そんなことを考えている。
彼らの仕切り屋はルックスも良く、前座席、後座席合わせて十人を引き連れとった。ありゃ政治家にでもなるな、と思った。
 
テレビをつけたら政党の異なる政治家たちが、つくり笑顔でつばを飛ばしながらやり合っているが、テレビ出演して茶の間の有権者らにエンターテーメントを提供していることを当然自覚してやっているのだろうから、その点で多かれ少なかれ意を共にした人たちのように見える。
 
なにが彼らを政治家にしたのだろう。
(こっから偏見まみれの流れでいったるど、と意気込んでいるので、そういうの苦手な方はご自分で判断したうえ、先をお読み下さい) 

オヤジが大統領だったから俺もならんと、なんてケースも世の中にはあったし、スターの座に登りつめてしまった俳優がある日俳優業では物足りなくなり、選挙に立候補するで、通ってしまうなんてのもある。
けどどちらも例外の一例でしかない。
 
街角で聞かれる選挙スピーチに耳を傾けると、
「世の中を救いたいので、この私に世の中を治めさせてください」といった主旨を皆さん唱えられる。
治めたいと救いたいではちなみに、全然主旨が違う。
後者は大勢集めて広場で説くもよしだが、ほんに世の中なんて大きなものを救うつもりならば、現場に行き(生き)小さなものを素手でつかまないとなにも始まらん。
政治家になる人は、それでも中央を目指すらしい。シャケやウミガメの子と同じように生まれ
つき特殊な磁石が備わっているのかもしれん。
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