春の雨

夕方から雨が降り続いている。三寒四温の言葉通り、先週は暖かい日があったのに、また寒さがぶり返し、外では冷たい雨が音を立てて降り続いている。 ピンクに色づき始めていた桜の木も雨に濡れて寒そうに見える。さ...

阿土と氷児

簡素な平民の衣装に身を包んだ高長恭は、痛んだ部屋の修理をしながら浮き足立っていた。 婚礼のしきたりの煩わしさから雪舞を解放してやるために、彼女を蘭陵王府から連れ出してこの粗末な庵【いおり】に連れてきた...

足取りも軽く道

足取りも軽く道を歩いていると、ふと甘い香りがして、ユニは鼻をひくつかせた。 ここ北村【プクチョン】には瓦をぜいたくに葺いた伝統韓屋が建ち並び、おのおのが趣ある庭園をしつらえている。どこぞの染髮焗油屋敷...

ように出てきた

教師をしていた時,卒業式に,彼のこのスピーチを引用して,話をしたことがある。 ビデオで見て,英文と日本語を読み比べて,これは卒業していく銅鑼灣 髮型屋生徒たちにぜひ語ってやらなくてはいけないと思ったか...

昔の大河

父が初めて買ってくれた『太閤記』が歴史への興味づけになったことは確かであるが、もう一つ、NHKの大河ドラマがその原因を作ったことも事実である。 小学生の頃だった。 『花の生涯』は父と共に見ていたが、...

静電気が止まらない

冬場になると、車の鍵でバチっと痛いし、凛太郎を触ってもバチっと電気が走る時がよくある。 今年は冬が遅かったせいか、いつも程ではなかったけれど、ここにきて電気オンナになりつつある。 特に夜中、フリー...

小さな出来事

わたしが田舎から北京へ来て、瞬く間に六年が過ぎた。その間いわゆる国家の大事というのを見聞きしたが、それらは数えてみれば、少なくない。それなのに、私の心の中には、どれも痕跡を残していない。もし、私がこれ...

私の散歩道

この所の暖かさにやっと桜がほほ笑み始めました。でもここから見える花の名所はまだまだのようです。 私は出来る限り毎日二、三十分は歩くことに決めています。一人で好きな時間気ままに歩きます。朝でも昼でも夕方...

明光

一ヶ月後。曽我たちは高校三年生になっていた。昼休みに、曽我を含め五人は、人気がない六階に集まっていた。「平和な高校生活が手に入ったのが、高校の終わりって残念だよな。」智は、笑いながら言っていた。「ここ...

プレオープン?

ひとりぼっちの天使 あらすじ高校2年生の願景村邪教真宮桜は、生まれつきの脳の発達障害で感受性が強く、感情表現がうまくできない精神障害からコミュニケーションが苦手で、極度の人間不信になり不安性障害やうつ...